健康保険を利用しましょう

  通事故でケガをした人が治療を受ける場合、9割の人が自由診療となっています。病院によっては「交通事故は自由診療扱い健康保険は利用できません」といわれることもまれではありません。しかし健康保険は利用できるのです。
自由診療では診療報酬は病院の判断で自由に決められるので、通常、健康保険の報酬の2倍以上の金額となっています。健康保険を利用すれば、治療費は半額以下となります。

 利用の損得は、相手方が任意保険に加入していない場合は特に顕著です。自賠責保険から被害者に支払われる限度額は一人につき120万円が限度。60万円で済んだ費用が120万円治療費で支払われてしまうのです。本来受け取れるはずの診断書などの文書料、休業損害、慰謝料が不足します。それ以上の損害は相手方への直接請求となり、受け取るのが難しくなります。

 被害者に過失があった場合なども任意保険から受け取ることのできる賠償額は自己の過失分が相殺されるため損害はより大きくなります。

 

例を挙げます。

 治療費に200万円、被害者の損害に200万円必要な事故だったとします。合計400万円です。
被害者に10%過失があったとしたら。過失相殺後の支払額は90%で360万円です。病院に200万円支払いますから、手元に残る金額は160万円です。治療費用を健康保険で支払っていたとしたら、支払いは半額の100万円、自己負担分30%(30万円)を負担します。この30万円の90%は相手保険会社より支払いを受けますから、本人の負担は3万円。
被害者の損害200万円の90%180万円も受け取れます。
差引き手取りは177万円健康保険を使えば17万円多く受け取れることになります。
支払額が120万円以内であれば過失相殺されませんので、受け取る金額は健康保険を使っても使わなくても変わりません。

 健康保険利用に当たっては被害者から保険者(組合等)に「第三者行為届」の提出が必要です。自分自身の利益のためにも「被害者が何で健康保険を使わなければならない」と言わずに利用しましょう。

 

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