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告知義務違反について

告知義務違反による保険会社の解除権と解除権の制限

 

保険会社の解除権

1.詐欺など(不正手段を目的とした加入)による解除(無効)

保険契約の締結、復活、保険金額の増額に際して、保険契約者、被保険者に詐欺行為があったときは、契約を無効とすると定めています。積立金に充当された金額以外は返金されません。

被保険者が知らずにいても、保険契約者が保険金受取人に保険金を受け取らせる目的で、契約の締結、復活、増額などを行った時も上記と同じ取り扱いがされます。

契約は当初より無効ですので、解除期限はありません。

2.告知義務違反による解除

保険契約者、被保険者が、故意または重大な過失により事実を告げなかったり、事実でないことを告げた場合は、保険会社は保険契約を解除することができます。この場合は、解約返戻金は返金されます。

このときでも、保険金の支払事由の発生が、解除の原因でないことを証明すれば、保険会社は保険金を支払わなければなりません。
(告知義務違反と、保険金の支払理由に因果関係がない場合)

3.重大事由による解除

  1. 保険金を搾取する目的で、事故を招致(未遂を含む)した場合
  2. 受取人に詐欺行為があった場合
  3. 特約が重大な自由で解除された場合

この場合は、解約返戻金は返金されます。

商法と約款による保険会社の解除権の制限

1.不可争期間の経過

  • 保険会社は解除原因を知った時から、1ヶ月以内に解除権を行使しなければ、解除権は消滅します。
  • 契約成立から5年経過した時も解除権は消滅します。
  • 保険約款では、この期間を2年としています。

以上を全て満たそうとすると、責任開始後2年以内に保険事故が発生した場合には、契約締結後5年以内、かつ解除原因を知って1ヶ月以内に保険契約を解除しない限り、保険契約は解除できないということになります。

2.因果関係不存在

告知義務違反があっても、告知義務違反した疾病と無関係の事故で死亡したような場合のように、保険事故と告知義務違反との間に因果関係がないことが証明された場合は、保険会社は保険金を支払わなければなりません。

判例では、保険事故と告知義務違反の間に因果関係が全く存在しないことが必要としています。

3.保険会社の悪意・過失により認知されなかった場合

告知義務違反があっても、保険会社が告知義務違反の事実を知っていた時、または過失によってこれを知らなかった時は、保険会社はこれをもって、解除することはできないとされています。

医師の診査を受けていて、それが診査上判明できたはずなのに、分からなかった、記載されなかった場合などのような時にもこれは該当します。